うっきーの突撃レポート
会員でもある「やまぐち食育くらぶ」代表の食育指導士うっきーこと西本葉子さんに、ホームページに掲載している会員が薦める、農業生産者さんや化学肥料・化学農薬不使用の農産物が購入できる店舗、レストラン・カフェ・パン工房等を訪問してもらい、その感想などをレポートしていただけることになりました。うっきーさんの分かりやすい文章をお楽しみください。
第13回 初開催!オーガニック&ナチュラルライフ ガーデンフェア
「なかむら自然農園」に行って来ました
(2020年9月9日)
食育指導士うっきー西本葉子です。
今日は、「なかむら自然農園」にお邪魔し、園主・中村進卓さんと、農園アルバイトの迫山卓哉くん、仕事の傍ら農園をお手伝いされている渡辺寛さん(「農家さんの台所」のオーナーさんです)にお会いし、お話をお聞きしました。
折しも台風10号が通り過ぎた後、畑に傷痕を残していました。自然の前では人間ってなんて無力なのでしょうか。でも、自然に生かされ、生きているんですよね。
左から、渡辺さん、迫山くん、中村さん 強風で気孔が塞がり枯れた茄子の葉
その本には、工業廃液や合成洗剤により河川が汚され、畑では化学肥料と除草剤で土壌が死に、それらの有害物質はやがて食物を通じて人体に蓄積され、その汚染は生まれてくる子ども達にまで影響するという、汚染の連鎖が描かれています。
釣り好きの中村さんは、まず河川の汚染に目を向け、EM研究所に学び、微生物による水質浄化を山陽小野田市などの地域で実践して来られました。
そして17年前に「なかむら自然農園」を立ち上げ、有機農法による野菜の販売を始められます。
その時に、人手として大学生をアルバイトに迎えるのですが、大学生の「無知」な現状に直面。畑を手伝うことを通して、世界へ目を向けることを指導。未来有望な若者へ留学を進め、知見を深めるきっかけ作りにも熱心です。
自然農法の何も足さない何も引かないではなく、有機化学も生物学も取り入れ自然界のポテンシャルを高めるため微生物や発酵学を駆使して、自然界の可能性を科学的な裏付けで安全で機能性の高い農産物をしかも美味しく綺麗な商品として付加価値の高い物を生産する事を目指しています。 また大事な事は、環境に負荷を掛けず自然界との共存共栄を大切にしております。(中村さんによる)
「野球部の友達から、ここを紹介してもらいました。もう野菜の味が全然違います。硝酸態窒素の残留基準など世界とのギャップに震撼しました。世界との考え方の度合いの違いがスゴイ。留学して世界に行ってみたいと思います。」
迫山くんのご先祖様は武士らしい。海外に行く時は自分のルーツをキチンと知っておけ!というのも中村さんの教え。
こういう若者が日本の未来を変えてくれるって光が見えました。ちなみに、硝酸態窒素の残留基準は、日本では3,500から5,000ppmへ緩和されました。EUでは、2,500ppm。日本はEUの2倍です。中村さんのお野菜は、なんとたったの25ppm!!味の違いが分かります!
行政からの依頼の他、個人の紹介者も受け入れて、数年かけてしっかり指導。有機農業を目指す上で、けっこう化学の基本知識が必要!自然派だからって、無為自然〜なるようになる〜ってわけじゃない!勉強もすっごく大事と言うことがよく分かりました。
そして今、中村さんの畑で有機農業の勉強をされているのが渡辺さん。
ご自身が経営するお店「農家さんの台所」で中村さんのお野菜も販売。ただ売るだけではなく、「伝える」というコンセプトを経営理念に掲げておられるます。
「朝6時から畑を手伝って、それから会社に行くんです。いつか有機農業をしたいと思っていて、今やろうって決意したんですね。仕事と掛け持ちで体がもつかなって思ったんですけど、土を触ると元気になるんです。とにかく中村さんの野菜は美味しい! 」
「西本さん、慣行栽培の土と、有機栽培の土の微生物の数の違いを知っていますか?」
「教えてください!」
「慣行農家の中で、篤農家と言われる土づくりをする農家の土でも1グラム中700〜800。有機農業の土の中には1gに一億の微生物がいます。」
私達の健康に欠かせない微生物が満載!いえ億載 まさに桁違い!
自然っていいねだけじゃなくて、健康にいい科学的な根拠も盛りだくさんのお話でした。
最後に、「なかむら農園」自慢の茄子を中村さんオススメレシピで作りました!
味噌バターソテー
・薄切りにした茄子を、バターをしいたフライパンで両面ソテー ・焼き上がった茄子に味噌をトッピング!お好みで青紫蘇
激うまー
それでは、また!次回レポートをお楽しみに!
硝酸態窒素の過剰摂取は、1945年にアイオワ州の農場で幼児にメトヘモグロビン血症が認められたのが、最初の報告例とされています。乳児メトヘモグロビン血症は、北米およ びヨーロッパにおいて1946年以来、約2,000例が報告され、うち7~6%は死亡、実際にはこの10倍の患者が発生していると推定されています。1956年のアメリカで、赤ん坊に裏ごししたホウレンソウを離乳食として与えたところ、赤ん坊の顔が真っ青になり、30分もしないうちに死亡に至った事件も。
【出典:https://nmt.or.jp/水環境/赤ちゃんが危険!-亜硝酸性窒素とブルーベビー病/】
人間を含む動物が硝酸態窒素を大量に摂取すると、体内で腸内細菌により亜硝酸態窒素に還元され、これが体内に吸収されて血液中のヘモグロビンを酸化してメトヘモグロビンを生成してメトヘモグロビン血症などの酸素欠乏症を引き起こす可能性がある上、2級アミンと結合して発ガン性物質のニトロソアミンを生じる問題が指摘されている。
【出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/硝酸態窒素】